2006/06/09

本:『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』

今日は本を読んだ。

書名:『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
著者:リリー・フランキー
出版社:扶桑社
出版年月:2005年6月

みんなが「泣くよ、泣くよ」という本で、あまり泣いたことがない。
「泣くよ、泣くよ」が「泣け、泣け」に聞こえてしまっているからかもしれない。
そういう感情は、本を読むときには本当に余計な雑音にしかならないのだけれど、私も大人になったので、そういう雑音はなるべくガマンして読んでみることにする。

結果。今回は、涙が目に浮かんだ。零れ落ちることはありませんでしたよ。

そのほかの感想を少し。
全体に、文章がとてもきれい。その中に、突然現代っぽい言葉がまぎれていることがあって、ああ、これは最近の本なんだ、と思い返す。
邦画でよく見るような(作為的な)仕掛けが、多すぎない。五月だけ。
時系列的に書かれている。私はいま30年弱生きているけれど、一つ一つの場面を読んでいて、どこまでが自分の知らない時代で、どこからが自分の知っている時代なのかが、よくわからなかった。(これは、私個人の問題。自分の生まれる直前の30年くらいは、私にとっては時代劇で見る江戸時代よりも遠く、またどんな風景だったかを知らないため)
方言がたくさん入っている。私も西日本の出身なので、これは身近な言葉。素直に読めた。

あと、リリー・フランキーの「リリー」が百合の花であることに、はじめて気がついた。


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