2006/07/19

お寺を通る

今日は、いつも乗る電車の駅の近所を歩いてみた。晩御飯を食べられるお店を探していたのだけれど、適当なお店は見つからなかった。
そのかわり、すごく大きなお寺があるのを見つけた。
立派な門があって、土塀がずーっと続き、その上から茂った大きな木々が、外の歩道へ向けて覆いかぶさっている。
その土塀沿いに歩いていると、雨が降ったせいで、草木や土のこもったにおいがして、でも空気は少し冷んやりとして、心地よい感じだった。

立ち止まってその草木のにおいをかいだ時、突然、

「あー、私、疲れてたんだな・・・」

としみじみ思った。

実際、脳に溜まった疲れが、すーっとひいていく感じがした。
私は山の中で育ったので、やっぱり山や川のにおいや姿、手触りが、心の底に刷り込まれているのかもしれない。
最近は、ビルや道路や、壁や、ドアや、いろいろと細かくてかたいものばかりを見ていた。草や木の、こもったようなにおいが、いっぱいに満ちた場所に行くことがなかった。
そのせいかどうかはわからないけれど、知らないうちに、心身に疲れが蓄積されていたのだと思った。

なぜ疲れてしまったのだろう?
今、いろいろとやりたいこと(やらなければいけないこと)がたくさん頭に浮かんできていて、実際に着手しているものも半分くらいあるけれど、少し冷静になってみると、実は自分のパワー以上に、いろいろなことに手を出しすぎていたのかもしれない、と思った。
もともと自分は、そんなにいろいろできるほどの強さはなかったはずだし、こんなに急ぎやさんでもなかったはずだ。
その結果、私の日常生活で手がけていることの数は増えたけど、全体にかける時間や質は下がってしまったような気がする。つまり欲張りすぎていたのだ。

今は、とりあえず自分の手がける範囲をもう少し絞り込み、一つ一つの質が高くなるように、落ち着いてやっていこうと思う。何かひとつ終わったら、それから次に進めばいいのだ。

また少し疲れたら、お寺の木を見に行こう、と思う。

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